通信モード:インフラストラクチャ vs アドホック
無線LANの通信には、大きく2つの形(モード)があります。アクセスポイントを介する「インフラストラクチャモード」と、機器同士が直接つながる「アドホックモード」です。それぞれの仕組みと使いどころを見ていきましょう。
インフラストラクチャモード
アクセスポイント(AP)を中心に、すべての通信がAPを経由する方式です。家庭やオフィスのWi-Fiは、ほぼすべてこのモードで動いています。
- APの通信範囲内にある端末は、すべてAP経由で通信できる。
- APを増やせば通信エリアを広げられ、移動時には別のAPへ切り替えるハンドオーバーも可能。
- 有線ネットワークとの橋渡しもAPが担うため、インターネット接続もこの形になる。
一方で、通信が常にAPを通るため、APとの接続が切れると通信も途切れるという弱点があります。端末同士のやり取りもいったんAPを経由するため、その分の遅延も生じます。
アドホックモード
アクセスポイントを使わず、複数の端末が直接つながって通信する方式です。ピアツーピア(P2P)ネットワークとも呼ばれます。
- APが不要なので、その場ですぐにローカルな通信網を作れる。
- 機器同士の距離や電波強度に左右されやすく、安定性の面では課題がある。
手軽な半面、規模を大きくしにくいため、現在の家庭用Wi-Fiではほとんど使われません。機器同士を一時的に直結する用途で使われる考え方です。
2つのモードを比較
| インフラストラクチャ | アドホック | |
|---|---|---|
| 構成 | APを中心に接続 | 端末同士が直接 |
| エリア拡張 | APを増やせば可能 | 難しい |
| 安定性 | 高い | 環境に左右される |
| 主な用途 | 家庭・オフィスのWi-Fi | 端末間の一時接続 |
まとめ
- ふだん使うWi-Fiは、AP経由のインフラストラクチャモード。
- APを使わず直接つなぐのがアドホックモードで、手軽だが安定性に課題。