基礎知識

アクセス制御:CSMA/CAのしくみ

📅 2026/07/13 更新⏱ 読了 約5分

1つの電波の道を、たくさんの機器が同時に使えば「衝突」が起きます。無線LANはこれをどう防いでいるのでしょうか。有線LANの方式と比べると、無線ならではの工夫が見えてきます。

有線LANの方式:CSMA/CD

有線のイーサネットでは、CSMA/CDという方式が使われてきました。仕組みはこうです。

有線では自分の送信と他者の送信が重なったことを「検出」できるため、この方式が成立します。

無線LANの方式:CSMA/CA

ところが無線では、事情が違います。電波は放射状に広がり、場所によって受信強度が大きく変わるため、「衝突が起きたこと」をその場で検出するのが難しいのです。そこで無線LANは、衝突を検出するのではなくあらかじめ避ける方式――CSMA/CA(衝突回避)を採用します。

💡 ワンポイント

「検出(Detection)」ではなく「回避(Avoidance)」——この一字の違いが、有線と無線の設計思想の差を表しています。ぶつかってから対処できないので、ぶつからないように譲り合うわけです。

隠れ端末問題とRTS/CTS

無線ならではの難問が「隠れ端末問題」です。AとCがそれぞれ中央のBとは通信できても、AとCはお互いの電波が届かず、相手が送信中だと気づけない。すると両者が同時にBへ送り、Bのところで衝突してしまいます。

これを緩和するのがRTS/CTSという仕組みです。送信前に「送っていい?(RTS)」と問い合わせ、APが「どうぞ(CTS)」と全体に知らせることで、周囲の端末に「今は待つべき」と伝えます。混雑した環境での衝突を減らす仕掛けです。

まとめ