通信フレームの構造
Wi-Fiで飛び交うデータは、「フレーム」という決まった形にまとめられて送られます。無線LAN(IEEE802.11)のフレームは、有線のイーサネットより少し複雑です。その中身をのぞいてみましょう。
フレームとは
フレームとは、通信データを送るためのひとまとまりの単位です。宛先や送信元の情報(ヘッダ)と、実際に送りたいデータ(ペイロード)、そして誤りを検出するための符号などで構成されます。
無線LANのMAC層では、ヘッダは最大30バイト、データ本体は最大2312バイト、末尾に誤り検出用のFCS(フレームチェックシーケンス)4バイトが付きます。
イーサネットとの違い
有線イーサネットのヘッダは、宛先アドレス6バイト+送信元アドレス6バイト+タイプ2バイトと、比較的シンプルです。これに対し無線LANのヘッダは、フレームコントロール、複数のアドレスフィールド、シーケンス番号などを持ち、より複雑になっています。電波という不確実な環境で、確実に届け先を制御する必要があるためです。
フレームコントロール(FC)
ヘッダの先頭にある16ビットの制御情報で、そのフレームの性質を細かく指定します。含まれる主な項目は次の通りです。
- プロトコルバージョン/タイプ/サブタイプ…フレームの種類。
- To DS / From DS…フレームが無線LAN内で完結するのか、有線側(Distribution System)へ出入りするのかを示す。
- More Fragment / Retry / Power Management / More Data / WEP…分割の有無、再送か、省電力状態か、暗号化の有無など。
4つのアドレスフィールド
無線LANのフレームは最大で4つのアドレスを持ちます。先ほどのTo DS / From DSの組み合わせによって、送信元・宛先・経由するアクセスポイントのアドレスをどう解釈するかが決まります。これにより、フレームが「無線内だけのものか」「有線側へ橋渡しされるものか」を正しく扱えます。
3種類のフレーム
フレームはタイプによって大きく3つに分類されます。
| 種類 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| 管理フレーム | 接続の確立・維持 | ビーコン、認証、アソシエーション |
| 制御フレーム | 送受信の制御 | RTS / CTS、ACK |
| データフレーム | 実データの運搬 | 実際の通信データ |
ふだん意識する「通信」はデータフレームですが、その裏で管理フレームや制御フレームが絶えずやり取りされ、接続を支えています。
まとめ
- 無線LANのフレームはヘッダ+データ+FCSで構成される。
- 有線より複雑で、フレームコントロールと4つのアドレスで経路を制御。
- 役割ごとに管理・制御・データの3フレームに分かれる。